2016年月報12月号巻頭言「暗闇の中で気づく光」
光は暗闇の中で輝いている(ヨハネによる福音書1章5節)
ある子供がお父さんに尋ねました。「ねぇパパ、お空の星はお昼の間どこに行ってるの?」お父さんは答えます。「お昼の間もお空にいるんだよ」。するとその子はしばらく考えてからこう言いました。「そうか、星はそこにいるけど空が明るいから見えないんだ。星の光は暗くならないと見えないんだね…」。
何気ない会話ですが、ここでこの親子はとても大切なことを話しています。星は常にそこにあるのに、その光は明るい中ではなかなか見えないのです。しかし暗くなると、星はようやくその存在感を発揮して光を放ちます。
聖書が示す神の存在とはまさに、この星の光と似ています。イエス・キリストが誕生した時、天使ガブリエルはイエスのことを、「その名はインマヌエルと呼ばれる」と言いました。それは、「神は私たちと共におられる」という意味でした。神はイエス・キリストの誕生を通して、いつも私たちと共にいる存在であることを示されたのです。
しかし、その希望あるメッセージに、私たちはなかなか気づけません。特に、人生が輝きに満ちている時、私たちは神の光になかなか気づけないのです。しかし、私たちの人生が暗闇に満ちた時、その光はようやく存在感を発揮して私たちの心に照り輝きます。その光を、私たちの人生が輝く中でも感じられたら、どれほど幸いなことでしょうか。