2016年月報2月号巻頭言「共感して生きる」
喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい。(ローマの信徒への手紙12章15節)
去る1月24日(日)に、2016年度の教会総会が持たれました。総会では、過ぎた2015年度の諸活動報告及び決算報告を承認し、また既に始まっている新たな2016年度の歩みについても予算案を承認すると共に、教会の進むべき方向性について、そのビジョンを共有しました。
日語部は2016年度の主題に「共感して生きる」という言葉を掲げました。主題聖句は、ローマ書12章15節です。イエス・キリストは最も重要な掟として「唯一の神を愛すこと」と「隣人を自分のように愛すこと」を示しましたが、ローマ書を書いた使徒パウロは、その教えをより具体的に実践していくために、「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」ということを伝えたのです。
喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣くことは、決して簡単なことではありません。しかし聖書は、イエス・キリストの生き方を一つのモデルとして、なおその道を追い求め続けていくことを促すのです。
イエス・キリストが歩まれた道。イエス・キリストが示す生き方。それは、ひたすら人々に寄り添い、共感する生き方でした。喜ぶ人や泣く人と、イエスはいつも空間を共にし、時にはただ一緒にいることを通して、彼らの心の内にある様々な声に共感していったのです。
私たちには特別な力はないかもしれません。しかし私たちは、誰かと空間を共にすることはできます。ただ一緒にいるだけでいいのです。そこからすべてが始まりまます。そのことを通して私たちは隣人の心の内にある喜びや涙、様々な声に共感する第一歩を歩み出すのです。
今年は、礼拝を中心とした日語部のすべての活動の根底に、「共感」というテーマを置きます。何をするにも、誰かと空間を共にするということを大切にする。そのことの繰り返しの中で私たちは、イエス・キリストと使徒パウロが語った大切な教えを具体化させ、実践していく者になりたいと思うのです。